AlphaFold活用がアジアで急増、難病や新種発見に貢献

アジア太平洋での普及と影響

利用者3分の1がアジア太平洋
引用論文は地域内で1万3000本超
開発者が2024年ノーベル化学賞を受賞

医療・科学分野での成果

マレーシアで致死性感染症創薬加速
シンガポールでパーキンソン病解明
日本で温泉から未知のウイルス発見
韓国がん等のメカニズム研究
詳細を読む

Googleが開発し、2024年のノーベル化学賞にも輝いたAI「AlphaFold」が、アジア太平洋地域(APAC)の研究を劇的に加速させています。公開から5年を経て、全世界の利用者は300万人を突破しましたが、その3分の1以上をAPACの研究者が占めるに至りました。AIによるタンパク質構造予測は、もはや科学研究に欠かせないインフラとなっています。

具体的な成果として、医療分野での貢献が目覚ましいです。マレーシアでは致死率の高い感染症「類鼻疽」の新薬開発が進み、シンガポールではパーキンソン病に関連するタンパク質の可視化により早期診断への道が拓かれました。韓国の研究者はAlphaFoldを「構造生物学のインターネット」と呼び、がん研究におけるDNA組織の解明に役立てています。

基礎科学の分野でも、従来の常識を覆す発見が相次いでいます。台湾の研究チームは極めて複雑なタンパク質構造を予測・実証しました。また、日本では温泉に生息する微生物の研究から未知のウイルスを発見し、分子進化の新たな分岐を明らかにしています。これらの事例は、AIが人類の未解決課題に挑む強力な武器であることを示しています。