米監視AI、海外ギグワーカーが米国映像を分析と判明

安価な労働力への依存

米国内の映像データを海外でアノテーション
Upwork経由でフィリピン等の人材を活用
誤公開された内部パネルから実態が発覚

監視データの機微性と懸念

ナンバーや歩行者、悲鳴などの音声も分析
警察も利用するシステムの管理体制に疑問
AI開発におけるデータプライバシーの課題
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米国の監視カメラ大手Flock Safetyが、AI学習のために海外のギグワーカーを利用し、米国内の映像データを閲覧させていたことが判明しました。誤って公開された内部資料により、監視データの管理体制に対する懸念が浮上しています。

報道によると、同社はフリーランス仲介の「Upwork」を通じ、フィリピンなどの労働者にアノテーション業務を委託していました。労働者は、米国内で撮影された車両のナンバーや色、歩行者の特徴などをAIに学習させるためのタグ付けを行っていたとされます。

AI開発で安価な海外労働力を使うことは一般的ですが、Flockが扱うのは警察捜査にも使われる機微な監視データです。米国民の移動履歴やプライバシーに関わる情報が、国外の不特定多数の作業者に露出していた可能性があり、セキュリティ上のリスクが問われています。

さらに作業内容は映像に限らず、音声データの分析も含まれていました。労働者は録音された音声から「悲鳴」や「銃声」などを聞き分け、その確信度を判定するよう指示されていました。報道後、同社はデータへのアクセスを遮断しましたが、詳細なコメントは避けています。