OpenAI「コードレッド」発令 Google猛追受けChatGPT改善へ
詳細を読む
米OpenAIのサム・アルトマンCEOは2日、主力製品であるChatGPTの改善を最優先するため、社内に「コードレッド(緊急事態)」を宣言しました。競合するGoogleの最新モデルが猛追する中、広告導入や新機能の開発を一時延期し、王座死守に向けた抜本的な体制強化に乗り出します。
流出した内部メモによると、同社は計画していた広告統合や、「Pulse」と呼ばれるパーソナルアシスタント機能などのリリースを先送りします。アルトマン氏は「今はChatGPTにとって重要な時期だ」とし、速度や信頼性の向上にリソースを集中させるため、エンジニアの一時的な配置転換や担当者による日次会議を指示しました。
背景には、Googleが11月に発表した最新AIモデル「Gemini 3」の躍進があります。同モデルは業界のベンチマークでChatGPTを上回り、著名経営者が乗り換えを公言するなど評価が急上昇しています。3年前、ChatGPTの登場に焦ったGoogleが発した非常宣言と立場が完全に逆転する事態となりました。
OpenAIにとっては、数千億ドル規模の投資に見合う成長と収益化のプレッシャーがかかる中での重大な戦略修正です。圧倒的強者だった同社のリードが揺らぐ中、生成AI市場は再び激しい性能競争のフェーズに突入しました。ユーザーにとっては、両社の切磋琢磨により、サービスの質が一段と高まることが期待されます。
