AWS「AIエージェント」へ全振りも企業のROI未達が課題
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AWSは年次総会「re:Invent 2025」で、AIエージェントや新型モデル「Nova」を一挙に発表し、AI実用化へのシフトを鮮明にしました。CEOのマット・ガーマン氏は、AIが「技術的な驚異」からビジネス価値を生む段階に入ったと強調しますが、顧客企業の受け止めには依然として温度差があります。
最大の課題は、顧客企業の準備不足です。MITの調査では95%の企業がAI投資の対価を得られていないとしており、多くはまだ試験運用段階に留まります。アナリストは、AWSの技術発表が先進的すぎるあまり、現在の顧客の成熟度やニーズと乖離している可能性を指摘しています。
AIモデルの市場シェアでは、OpenAIやGoogle、Anthropicが先行しており、AWSは後を追う立場です。しかし、投資家はAWSの真価をモデルそのものではなく、それを支えるクラウドインフラや、自社データセンターでAIを稼働させる「AIファクトリー」に見出しています。
AWSの強みは、インフラ市場での圧倒的な支配力と、四半期で114億ドルを稼ぎ出す強固な収益性です。たとえAIブームが一時的に停滞しても、他社より耐性が強く、長期的な視点で技術を改良し続ける「実験の余地」が残されています。