Slack会話からコード修正 Anthropicが新機能

チャットが開発環境へ進化

会話からバグ修正や機能追加を自律実行
適切なリポジトリを自動特定しPR作成
エンジニアコンテキスト切り替えを排除

企業向けAI市場の覇権争い

公開半年で年間収益10億ドルを突破
楽天は開発期間を約8割短縮と報告
MSやGoogleに対抗し業務フローを掌握
若手のスキル低下や品質に懸念も
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Anthropicは2025年12月8日、自律型コーディングエージェントClaude Code」をSlackに統合するベータ版を公開しました。Slack上でタグ付けするだけで、会話を基にバグ修正や実装を依頼でき、開発プロセスの大幅な効率化が期待されます。

最大の特徴は、議論と作業の場の統合です。Slack上のバグ報告や議論をClaudeが読み取り、連携リポジトリから適切な箇所を特定します。修正案作成からプルリクエスト発行までを自律的に実行し、進捗もスレッドで報告するため、エンジニアの手間を最小化します。

本機能は、公開半年で年間収益10億ドルに達したClaude Codeの導入を加速させる狙いがあります。楽天などの先行事例では、開発期間を最大79%短縮するなど劇的な成果が出ており、NetflixやSpotifyなどの大手企業も採用を進めています。

この動きは「開発環境のチャットツール化」を象徴します。MSやGoogleも同様の統合を進める中、AnthropicSlackという強力なプラットフォームを押さえ、エンジニアの意思決定の場に入り込むことで、エンタープライズ領域での覇権を狙います。

一方で、AI依存によるスキル低下セキュリティへの懸念も指摘されています。企業はAIによる自動化の恩恵を享受しつつ、人間のエンジニアによるレビュー体制や教育のバランスをどう再設計するかが、今後の競争力を左右することになるでしょう。