MIT関係者9名がAI2050フェロー選出、物理とAI融合で革新

シュミット氏主導のAI支援

Google CEO設立のSchmidt Sciences
2050年のAI成功シナリオ実現が目標
有益なAI技術のための難問解決を支援

物理とAIの融合領域を開拓

MIT准教授らは物理・幾何学・MLを融合
3D物理理解と新素材設計への応用
科学計算を加速するニューラル演算子の開発
@compassinaiのXポスト: 【AIの"魂"は、別の身体に移せるか?🚢】 「一度学習したAIの"構造"は、もう変えられない」
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米マサチューセッツ工科大学(MIT)は2025年12月8日、同大の関係者9名が「AI2050フェロー」に選出されたと発表しました。このフェローシップは、元Google CEOのエリック・シュミット氏らが設立した非営利団体「Schmidt Sciences」によるもので、AI分野の最重要課題に取り組む研究者を支援するプログラムです。

AI2050イニシアティブの核心は、「2050年にAIが社会に大きな利益をもたらしているとしたら、どのような問題を解決したのか」という問いにあります。選出されたフェローたちは、AIと高度なコンピューティング、生物科学、宇宙物理学など、多岐にわたる分野でインパクトのある研究を推進し、持続可能な未来の実現を目指します。

今回選出されたMIT現役研究者のひとり、Tess Smidt准教授は物理・幾何学・機械学習の交差点で研究を行っています。物理的および幾何学的制約下でのシステム理解を助けるアルゴリズムを設計し、新素材や新分子の発見に応用することが狙いです。特に3D物理システムにおける対称性に着目したアプローチが高く評価されています。

また、CSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)のポスドクであるZongyi Li氏は、科学計算を加速させるための「ニューラル演算子法」の開発に注力しています。従来の数値計算手法をAIで代替・補完することで、シミュレーションの劇的な高速化を目指すこの研究は、気象予測や流体力学など幅広い分野への波及効果が期待されます。

本プログラムには、現役研究者に加えて7名のMIT卒業生も選出されました。これには初期キャリアの研究者だけでなく、すでに実績のあるシニアフェローも含まれます。MITが輩出する人材が、アカデミアや産業界を超えて、将来のAI社会基盤を形成する上で重要な役割を果たしていることを如実に示しています。