XPRIZE量子アプリ、最終7チーム選出。実用化へ加速

Googleらが支援する世界大会

Google支援のXPRIZE最終候補
賞金総額500万ドルの国際大会
SDGsなど現実課題の解決が目的

材料科学や創薬で実証へ

材料科学や創薬の難問に挑む
米欧などから精鋭7チームを選抜
2027年の優勝決定に向け実証開始
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Google Quantum AIなどは2025年12月10日、量子コンピューティングの実用化を競う「XPRIZE Quantum Applications」のファイナリスト7チームを発表しました。本大会は総額500万ドルの賞金を懸け、古典コンピュータでは困難な現実課題の解決を目指す3年間のグローバルコンペティションです。

選出されたチームは、材料科学やヘルスケアなどの分野で、量子優位性を証明するアルゴリズムの開発に取り組みます。Googleは、自社の量子チップ「Willow」での技術的進展に加え、本大会を通じて具体的なユースケースの発掘と、産業界での実用化プロセスを加速させる狙いがあります。

ファイナリストには、アメリカ、イギリス、カナダ、スイス、ハンガリーの有力研究機関や企業が含まれます。例えば、カリフォルニア工科大学のチームは半導体材料のシミュレーション高速化を、イギリスのPhasecraftは次世代電池や炭素回収技術のための新素材発見を目指しています。

また、マサチューセッツ工科大学(MIT)のチームはタンパク質相互作用の分析による疾患リスクの特定を、カナダのXanaduは高効率な有機太陽電池の開発を支援するアルゴリズムを提案しました。いずれもSDGsに関連するような、社会的インパクトの大きい課題解決を掲げています。

ファイナリストは今後、既存の古典的手法とのベンチマーク比較や、実装に必要なリソース見積もりを行うフェーズIIに進みます。最終的な優勝者は2027年3月に決定され、最大300万ドルの賞金が授与される予定です。なお、落選チームも2026年のワイルドカード枠で再挑戦が可能です。