MITが米海軍と連携、AI時代の指揮官育成プログラム始動

実践的AIリーダー育成「2N6」

米海軍士官向けに2年間の修士課程を提供
機械工学とAI証明書を統合した学位

意思決定と自律システムへの応用

AIを戦力乗数として活用する能力養成
意思決定支援や自律型船舶制御を習得
海軍の実務課題に即した研究を実施

国家安全保障と教育の革新

インド太平洋軍司令官の提案により創設
次世代リーダーへの高度AI教育モデル
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米マサチューセッツ工科大学(MIT)は2025年12月12日、米海軍士官向けに特化した新たなAI応用プログラム「2N6」の開設を発表しました。機械工学科と電気工学・コンピュータ科学科が共同で提供するこのプログラムは、AIを「戦力乗数」として活用できる軍事リーダーの育成を目的としており、参加者は2年間で機械工学修士号とAI証明書の両方を取得します。

本プログラムは、AI活用による意思決定の迅速化と精度向上に主眼を置いています。カリキュラムには、計算演習における意思決定支援や、水上・水中航行体の自律制御などが含まれ、海軍の実務課題に直結した研究を行うのが特徴です。

プログラム創設の契機は、米インド太平洋軍司令官パパロ提督によるMIT訪問でした。提督は、MITの既存の造船教育プログラム「2N」と同様に、AI分野でも実践的なリーダー育成が必要であると提案し、今回の連携が実現しました。

「2N6」は、まずは米海軍士官を対象としたパイロット版として開始されますが、将来的には対象の拡大も計画されています。MITと米海軍の1世紀以上にわたる連携を基盤に、国家安全保障を支える次世代リーダーを育成する新たなモデルとなります。