OpenAIが大手銀行2行と大規模なAI全社展開で提携強化
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スペインの大手銀行BBVAとOpenAIは、複数年にわたる戦略的AI変革プログラムの締結を発表しました。同プログラムでは、ChatGPT Enterpriseを全世界25か国・12万人の従業員に展開し、従来の導入規模を一気に10倍に拡大します。
BBVAはこれまで2024年5月から段階的にChatGPTの社内利用を進めてきました。まず3,300アカウントで試験導入し、次いで1万1,000人に拡大した結果、週平均3時間の業務効率化と80%超の毎日利用率という成果を確認しました。
今回の拡大展開では、セキュリティ・プライバシー管理機能や最新モデルへのアクセス、BBVA内部システムと連携した社内エージェント作成ツールが全従業員に提供されます。また専任チームによる構造化された採用モデルと研修プログラムも整備されます。
顧客向けには、OpenAIモデルで構築したバーチャルアシスタント「Blue」がすでに稼働しており、自然言語でカード・口座管理や問い合わせ対応を行っています。さらにChatGPTを通じて顧客が直接銀行サービスを利用できる統合も検討中です。
一方、米国の大手金融機関BNYは、ChatGPT登場直後から生成AIを全社規模で取り込む戦略を採用しました。中央集権型のAIハブを設立し、社内AIプラットフォーム「Eliza」を構築・展開することで、ガバナンスと革新性の両立を図っています。
BNYのElizaは現在125件超の本番ユースケースを支え、2万人の従業員がエージェント構築に参加しています。契約レビューを4時間から1時間へ短縮するアシスタントや、リスクシグナルを先読みするリスクインサイトエージェントなど、具体的な成果が出ています。
BNYのガバナンス体制は、データ活用審査委員会・AI公開審査委員会・企業AIカウンシルという3層構造で構成されます。Elizaのインターフェース内にタグ付け・テレメトリー・承認フロー・アクセス制御が組み込まれており、ガバナンスが業務フローに自然に統合されています。
全従業員の99%が生成AI研修を修了し、「Make AI a Habit Month」と題した1日7分の習慣化トレーニングにより、エージェント構築数が46%増加するなど文化的な変革も加速しています。
両行のケースは、金融という高度に規制された業界においても、大規模なAI全社展開が実現可能であることを示しています。OpenAIにとっては、規制産業における企業顧客の獲得と活用事例の蓄積が加速する重要なマイルストーンとなります。