Science Corp、初の人体脳インターフェース試験へ
バイオハイブリッド型BCIの特徴
臨床試験と将来展望
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元Neuralink共同創業者のMax Hodak氏が率いるScience Corporationが、バイオハイブリッド型ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)の初の人体臨床試験に向けた準備を進めています。Yale大学医学部神経外科部門長のMurat Günel博士が科学顧問として参画し、患者の脳に最初のセンサーを外科的に設置する計画を主導します。同社は2026年3月に2億3000万ドルのシリーズCを完了し、評価額は15億ドルに達しました。
Science Corpのアプローチは、従来の金属プローブや電極による電気刺激とは根本的に異なります。同社が開発するバイオハイブリッドデバイスには培養神経細胞が組み込まれ、光パルスで刺激を受けた神経細胞が患者の脳内神経細胞と自然に結合することで、生体と電子回路の橋渡しを実現します。Günel博士は「神経細胞を通じた自然な接続を使い、電子回路と人間の脳の間に生物学的インターフェースを作るというアイデアは天才的だ」と評価しています。
最初の臨床試験では、培養神経細胞を含まない高性能センサー単体を人間の脳で検証します。Neuralink のデバイスが脳組織に直接挿入されるのに対し、Science Corpのセンサーは頭蓋骨内に設置しつつ脳の表面に載せる方式を採用します。豆粒大の面積に520個の記録電極を搭載し、患者へのリスクが極めて低いとしてFDA承認を求めない方針です。脳卒中で開頭手術が必要な患者を候補とし、手術中にセンサーを設置して安全性と脳活動測定の有効性を評価します。
将来的にデバイスが完成すれば、損傷した脳や脊髄の細胞に穏やかな電気刺激を与えて治癒を促す用途や、脳腫瘍患者の神経活動をモニタリングして発作の早期警告を提供する応用が見込まれます。Günel博士が最も期待するのはパーキンソン病への応用で、移植細胞と電子回路を組み合わせることで現在の治療では不可能な病気の進行抑制が実現しうると述べています。ただし、臨床試験の開始は2027年でも「楽観的」とされ、実用化には相当の時間を要する見通しです。