AIで事故機音声を再現、NTSBがDB公開停止

プライバシー画像音声

音声再現の経緯

公開資料の音声スペクトル画像から再現
UPS2976便墜落事故のコックピット音声が対象
画像認識と計算手法の進歩が再現を可能に

NTSBの対応と法的背景

事故調査データベースの全面公開停止を決定
連邦法がコックピット音声公開を禁止
1990年の法制定は航空乗務員のプライバシー保護が目的
公開資料の見直しを実施中
詳細を読む

アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)は2026年5月21日、民間航空事故の調査資料を公開するオンラインデータベースの一時停止を発表しました。インターネットユーザーがAIや画像認識技術を用いて、公開されていた音声スペクトル画像からコックピットボイスレコーダーの音声を再現したことが原因です。

再現の対象となったのは、2025年11月にケンタッキー州ルイビルで離陸直後に墜落したUPS2976便(MD-11F貨物機)の事故です。この事故ではエンジンの構造的故障により機体からエンジンが脱落し、パイロット3名が死亡、地上でも12名が犠牲となりました。

アメリカ連邦法では1990年以来、NTSBがコックピットの音声や映像記録を公開することを明確に禁止しています。この法律は、1988年のデルタ航空1141便墜落事故に関するコックピット音声がテレビで放送されたことへの航空パイロットの反発を受けて制定されました。

NTSBは通常、事故調査で収集した事実報告や証拠をデータベースで広く公開しています。しかし今回、AI技術の進歩により、音声そのものを公開していなくても関連資料から音声を復元できるようになった現実に直面しました。NTSBは現在、公開済みの全資料を見直し、同様の再現を防ぐための対策を検討しています。