気象AIのWindBorne、欧州機関の予測精度超え

WeatherMesh-6

第6世代の気象AIモデル
ECMWF超えの予測精度
5日先が従来の前日並み
毎時更新と3km解像度

データ優位の戦略

全球で約400個の気球運用
気球データの直接取り込み
NOAAや米軍へのデータ販売
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気象スタートアップのWindBorne Systemsは6月1日、深層学習を用いた気象予報モデルの第6世代「WeatherMesh-6」を公開しました。同社は、世界最高峰とされる欧州中期予報センター(ECMWF)の従来型・AI予報をいずれも上回る精度を主張しています。センサー観測値をモデルへ取り込む手法の改良が、今回の精度向上を支えています。

WeatherMesh-6の特徴は、予測精度と更新頻度の両面にあります。同社の最高製品責任者によれば、特に地表気温で「5日先の予報が従来型の前日予報並みに正確」だといいます。更新は従来モデルの6時間ごとに対し毎時行われ、欧州と米本土では解像度が3kmまで高まっています。

従来の気象予報は高価なスーパーコンピューターで物理モデルを走らせる方式で、計算に時間がかかります。一方、Google DeepMindなどが手がけるAIモデルは高速ですが、長期予報の精度や解像度では物理モデルに及ばない面が残ります。それでも気象AIは急速に進歩し、各国の政府機関ですでに活用が進んでいます。

WindBorneの強みは、モデル構築とデータ収集を両立する点にあります。同社は世界15拠点から打ち上げた約400個の気球を常時飛行させ、観測データを集めています。CEOのジョン・ディーン氏は「データセットの優位なしにAI気象企業の事業は成り立たない」と語ります。

現状のAI気象モデルはECMWFや米海洋大気庁(NOAA)が作るデータセットに依存しています。しかしWindBorneは気球などの観測値を直接モデルに取り込む手法を進めており、AI責任者はこれが新版の改善の鍵だと説明します。同社は再構築に1年を費やし、安定性を損なわずに予報を実現しました。

同社はこれまで2500万ドルを調達し、2024年時点の評価額は8500万ドルと報じられています。気球データはNOAAや米空軍・海軍に、予報は投資家や商品トレーダーに販売しています。ただしディーン氏は、SaaS製品よりモデルとデータ基盤の構築を優先する考えを示しました。