NVIDIAが金融向け取引基盤モデルの構築支援を本格展開

基盤モデルへの転換

個別AIモデルのサイロ化が限界に
トランスフォーマー統一的な行動表現を学習
文脈理解により不正検知・与信の精度向上
手作業の特徴量設計が不要に

大手金融の採用状況

Revolutが240億イベント基盤モデル構築
Mastercardが数百億件規模の独自モデル開発
Stripe年間1120億ドルの不正をブロック

エコシステムの整備

NVIDIA開発者向けテンプレートを公開
AWS・Nebiusのクラウド基盤で即時利用可能
詳細を読む

NVIDIAは2026年6月2日、金融機関が自社の取引データを活用してトランスフォーマーベースの基盤モデルを構築するための開発者向けテンプレート「Build Your Own Transaction Foundation Model」を公開しました。金融業界では不正検知・与信・レコメンドなど用途ごとに個別のAIモデルを運用してきましたが、サイロ化による非効率が課題となっており、統一的な基盤モデルへの移行が加速しています。

先行事例として、RevolutNVIDIAと共同で「PRAGMA」と呼ばれる基盤モデル群を構築しました。26カ国・2600万ユーザーの240億件のイベントデータで訓練され、与信スコアリングや不正検知など複数領域で既存の専用モデルを上回る性能を示しています。従来数週間から数カ月かかっていた特徴量エンジニアリングが不要になった点も大きな成果です。

Mastercardは数百億件規模の匿名化された取引データで独自の大規模テーブル基盤モデルを開発中で、不正検知やパーソナライゼーションなど幅広い用途を見込んでいます。Adyenは1兆ドル規模の決済処理に基盤モデルを導入し、強化学習でコンバージョン最大化とリスク最小化を実現しています。Stripeは昨年1120億ドルの不正をブロックし、不正率を平均38%削減しました。

NVIDIAの調査によると金融機関の65%がすでにAIを活用し、42%がエージェント型AIの利用・評価を進めています。今回のテンプレートはAWSのSageMaker HyperPodやNebius AI Cloud上で利用可能で、EXL・Infosys・GFT・Thoughtworksなどのサービスパートナーが導入支援を提供します。既存のパイプラインに統合できる設計のため、ゼロからの再構築なしに基盤モデルの恩恵を得られる点が特徴です。