リライアンス、通話に常駐するAI秘書を5億人へ
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インドの複合企業リライアンスは6月19日の株主総会で、通話・アプリ・家庭にAIを組み込む消費者向けサービス群を発表しました。中核は「Hey Jio」で起動する通話AI秘書「Jio Call Agent」で、通話に参加して会話を文字起こし・要約し、配車や出前、予約まで代行します。年内に5億人超のJio利用者へ提供する計画です。
最大の特徴は、このAIを単独アプリではなく通信網そのものに組み込む点にあります。通話の標準機能としてAI支援を埋め込むことで、第三者の通話補助アプリへの依存を減らし、リライアンスに強力な配信上の優位をもたらすと見られます。混み合うAI市場で、5億人という顧客基盤を武器に差別化を狙う構図です。
消費者向けの裾野も広げます。自然言語でeSIM有効化やローミング契約を代行する刷新版MyJioアプリ、天気警報や予定を先回りで提示する家庭用ディスプレイ「TeleFrame」を投入しました。さらに医療・教育・農業・中小企業向けに22のインド言語に対応する専用サービス群も発表し、地域密着を打ち出しています。
今回の発表は、米中企業が支配するAI分野でインドが国産能力を築こうとする動きの一環です。アンバニ会長は「インドは他所で作られたAVの単なる消費者であってはならず、創造者であり世界の主導者になるべきだ」と述べました。背景には、海外モデルへの依存リスクがあります。アンソロピックの最新モデルへのアクセス制限は、国外の決定がインド企業を揺さぶる供給網リスクを浮き彫りにしました。
リライアンスはグーグルやメタ、エヌビディアと提携し、今年はAI基盤へ1100億ドルの投資を表明済みです。株主総会では、Jioプラットフォームズの取締役会が新規最大2.7億株を含む新規株式公開の目論見書案を承認したことも明らかにしました。
ただし課題も残ります。通話やアプリ、家庭にまたがるデータをどう扱うかについて、同社は利用者の同意を得て運用するとしつつ、AIモデルの学習や提携先との共有に使うかには答えませんでした。タタやインフォシス、アダニも参入を急ぐ中、株価が年初来で約17%下落するリライアンスにとって、上場を控えた新たな成長の柱づくりは重い意味を持ちます。