米政府がEUV装置の中国流出を懸念、ASMLは存在を全面否定
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米商務省のハワード・ルトニック長官が近時の会合で、オランダの半導体製造装置大手ASMLに対し、最先端チップの回路を描く唯一の装置であるEUV(極端紫外線)露光装置が中国に渡った可能性を懸念していると伝えました。これが事実なら、第1次トランプ政権以来ASMLに中国向けEUV販売を禁じてきた輸出規制への重大な違反となります。米ブルームバーグが報じました。
政府高官はEUV関連部品や輸送機材が中国へ出荷された証拠があると主張する一方、ブルームバーグにもASML本体にもその証拠を提示していません。商務省は中国国内に実機があるかどうかの問いにも回答しませんでした。
これに対しASMLは、中国にそうした装置は存在せず、過去にも存在したことはないと明確に否定しています。フーケCEOは、出荷した全装置を追跡しており、稼働中の顧客先にあるか、解体され返却されたかのいずれかだと説明しました。
同社は社内に情報の壁を設け、中国拠点の従業員はEUV技術や文書にアクセスできない設計だと強調します。フーケ氏は「持ったことのない装置をリバースエンジニアリングはできない」と述べ、技術流出の可能性を否定しました。
ASMLが規制を冒してまで違法販売に踏み切る動機は乏しいと見られます。同社は2026年売上の約20%を許可済みの対中販売(旧世代のDUV装置)で得る見通しで、EUV禁輸違反はこの収益と欧州最高の時価総額約7000億ドルという地位を一度に失わせる賭けになるためです。
背景には政策と市場の力学も見え隠れします。商務省はASMLの独占に挑む新興光源企業xLightに最大1.5億ドルを投じており、長官が同社を所管しながらASMLを追及する構図には注目が集まります。さらに、ASMLのDUV対中輸出を事実上禁じる超党派法案が議会で審議中で、4月に主要委員会を通過しています。