NVIDIA、科学発見を加速する新AIソフト発表
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性能と成果
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NVIDIAは6月22日、ドイツ・ハンブルクで開催中のスーパーコンピュータ会議ISCで、科学研究向けAIを加速する新ソフトウェア群を発表しました。化学・材料探索から暗黒物質の探索まで、これまでCPUで数時間から数日を要した処理を、GPUによるリアルタイム処理に置き換えます。発表されたのはDAQIRIライブラリ、ALCHEMI向けマイクロサービス、そして近日提供予定の参照コードcuPhotonです。
中核となるのは、性能向上の大きさです。天体観測の標準形式であるFITSデータを扱うcuPhotonは、NVIDIA GB200 NVL72上で動作し、ルービン天文台の大規模掃天観測の画像読み込みを1万4900倍高速化しました。信号処理と解析も最大8400倍速まると報告されており、史上最大のデジタルカメラが捉えた遠方銀河の解析を後押しします。
ネットワークライブラリのDAQIRIは、高速な検出器やセンサーからのデータを取りこぼさずに処理する点が特徴です。CERN・シカゴ大学・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者が開発したプロジェクトA-GHOSTは、DAQIRIを使い、ATLAS実験で通常は破棄される99%超のデータをリアルタイムにAI解析し、見逃されていた信号を捕捉します。
化学・材料探索向けのALCHEMIは、電池材料や触媒、OLEDディスプレイなどに応用できるマイクロサービス群です。生命科学プラットフォームを開発するLila Sciencesは、ALCHEMIを用いて高スループットの材料スクリーニングを50倍に加速し、合成可能性の高い安定候補を特定しました。VASP向けマイクロサービスでは磁気特性の計算も30%速まったといいます。
ではこれらのソフトはいつ使えるのでしょうか。ALCHEMIツールキットとNIMマイクロサービスはGitHubやNVIDIA NGCカタログから入手でき、VASP向けは今夏後半の提供予定です。DAQIRIはすでにGitHubで公開され、cuPhotonも今夏の提供を見込んでいます。研究現場における計算の高速化競争が、科学的発見のスピードを左右する局面に入っています。