元Nvidia勢の新興企業Flexion、人型ロボに事務作業を学習させる

Flexionの学習手法

Nvidia研究者が創業
シミュレーションで個別技能を習得
マスターAIが技能を統合
全層で強化学習を活用

市場と競争

人型よりAIモデルが本質
基盤モデル市場1500億ドル規模へ
複数の人型機種に対応
ハード企業との連携が課題
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スイスの新興企業Flexion Roboticsが、人型ロボットにオフィスの雑務を自律的にこなさせる学習手法を発表しました。元Nvidiaロボット研究者らが創業した同社は、ドアを開ける、階段を上る、箱を運ぶといった単純な技能を組み合わせ、複雑な作業を実行させます。インターンのような事務作業を担う人型ロボの実現を狙う取り組みです。

従来のデモ映像の多くは、シャツを畳むなど特定作業に特化したもので、裏で人がロボットを操作する遠隔操作に頼っていました。この方式は未知の環境では安定して機能しません。Flexionはまずシミュレーション内で個別技能を教え、その後マスターAIアルゴリズムがそれらの使い方を判断する点が異なると説明します。

公開された映像では、改造したUnitree製の人型ロボが「届いたお菓子の小包を階段で取りに行き、エレベーターで戻って棚の空き引き出しに収める」という指示を受け、自律的に動きます。中核のAIモデルは人間の作業動画を学習し、いつどの動作を取るべきかを把握。習得済みの技能を実世界で発動させ、歩行やバランス維持のためのモーター制御も担います。

共同創業者CEOのNikita Rudin氏は、ソフトの「秘密の材料」は強化学習を広範に使う点だと語ります。試行錯誤で課題を習得させるこの手法を、マスターAIからシミュレーション、モーター制御まで各層で採用しています。なぜこれが重要なのでしょうか。汎用性と効率の両立が、実用化の鍵を握るからです。

Elon Musk氏やJensen Huang氏ら業界の重鎮は、人型ロボが人間の労働を置き換え経済に大きな影響を与えると主張します。一方でFlexionの実演は、人型ロボの活用にはAIの根本的な進歩が必要であることを示しています。ABI ResearchのGeorge Chowdhury氏は「人型ロボ自体ではなく、それを支えるAIモデルこそが革新的だ」と指摘します。

ABI Researchは、ロボット基盤モデルの市場が2036年までに1500億ドル規模に達すると試算します。Flexionは複数の人型機種に対応し、多数のロボット企業と連携している点が商業的な強みです。ただしChowdhury氏は、成功にはハードウェアメーカーとの緊密な協力が不可欠で、激しい競争に直面すると見ています。