Vercelが全スタックを一つのプロジェクトで運用可能に
内部通信と基盤
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Vercelは6月30日、複数のフレームワークを一つのVercel Projectで動かせる新機能Vercel Servicesを発表しました。Next.jsのフロントエンドとFastAPIのバックエンドのように、これまで別々のクラウドや開発フローに分かれていた構成要素を、単一プロジェクトとして統合できます。狙いは、利用者にとって一つの製品に見えるアプリを、開発者側でも一体として扱えるようにすることです。
中核となるのがアトミックデプロイです。フロントエンド、バックエンド、その他のサービスが常に同期し、デプロイもロールバックもまとめて行われます。プレビューデプロイも共有され、ある変更が全サービスにどう影響するかを一度に確認できる仕組みです。ルーティングやビルド、本番でのオートスケールはVercelが引き受けます。
サービスの宣言はvercel.jsonのservicesキーで行い、各サービスのルートやフレームワークを明示します。公開ルートを持たないバックエンドは、フロントエンドからのみ内部的に到達でき、リバースプロキシやCORSの設定は不要です。bindingsキーを使うと内部URLが環境変数として注入され、サービス間の通信は公開インターネットを経由せずVercelの内部ネットワーク内で完結します。
基盤面では、各サービスのフレームワークが自動検出・自動プロビジョニングされ、PythonのFastAPIやFlask、TypeScriptのExpressやHono、GoやRustまで対応します。実行環境はFluid computeで、トラフィックに応じて自動スケールし、実際にCPUが稼働した時間だけ課金される仕組みです。アイドル時間の多いバックエンドやAI処理に向いた料金体系といえます。
エージェント向けには、各エージェントに独立したLinux環境を与えるVercel Sandboxが用意されます。ファイルシステムやシェル、Dockerサポートを備え、本番環境から完全に隔離された状態でコード実行やコマンド実行ができます。さらにWebSocket対応のリアルタイム処理、Queues、Workflow、Cronといった非同期・長時間処理の機能も同じプラットフォーム上で利用できます。
Vercel Connectは長期保存の秘密情報を、実行時に取得する短命な認証情報へ置き換え、外部サービスへの安全な接続を実現します。データベースもMarketplaceからNeonやSupabase、AWSのAurora PostgreSQLなどを数クリックで用意できます。フロントエンドからバックエンド、データや非同期処理までを別々の基盤で継ぎ合わせる必要がなくなる点が、今回の発表の要点です。