Vercel、サーバー側評価のフラグ機能を提供
内部での実績
詳細を読む
Webプラットフォーム大手のVercelは6月22日、自社基盤に組み込んだフィーチャーフラグ機能「Vercel Flags」を発表しました。コードの公開可否をフラグで制御し、デプロイと機能リリースを別々に判断できる仕組みです。サーバー側で評価するため画面のちらつきや表示のずれが生じず、ページ性能への影響もないと説明しています。
最大の特徴はフレームワークとの統合です。他社のフラグサービスが汎用SDKと別個の管理画面を提供するのに対し、Vercel Flagsはデプロイと同じダッシュボードで管理し、コードからはFlags SDKを通じて読み込みます。Next.jsやSvelteKit向けの専用アダプターを備え、それ以外のフレームワークでもOpenFeature経由で利用できます。
クライアント側でフラグを評価すると、利用者は値が返るまでローダーやちらつきを目にします。Vercel Flagsはサーバー側で評価し、Next.jsのReact Server Componentsならレンダリング中に値を読み込むため、ブラウザは正しい画面を直接描画します。設定変更は数ミリ秒で各リージョンへ伝わると述べています。
フラグの登録は自動で、コードに定義してデプロイすると下書きとしてダッシュボードに現れます。コードから削除すると未参照と表示され、安全に整理できる状態が保たれます。さらにCLIコマンドを通じて、開発者だけでなくコーディングエージェントもフラグの作成や配信、停止を行えるエージェント対応も用意しました。
Vercelは2026年4月に本機能を正式提供していますが、社内では1年以上前から使ってきたといいます。AIコード生成ツール「v0」のチームは常時数百個のフラグを運用し、新機能やAIモデルの切り替え、緊急停止スイッチなどに用いています。リリースは社内から5%、10%、25%、50%と段階的に広げ、問題があればコード変更なしで停止できます。
象徴的な事例が本番データベースの移行です。新旧のDBを同期させたうえでフラグが使用先を制御し、フラグの切り替えそのものが移行の実行になりました。検証環境で繰り返し練習してから本番に臨み、トラフィックを落とさず完了したとしています。高リスクな基盤変更を、練習・計画・実行できる作業に変えた点を強調しています。