強化学習の礎築いたMIT名誉教授ベルツェカス氏死去

研究の足跡

最適化・制御の理論的支柱
強化学習先駆的研究
20冊超の教科書を執筆

経歴と評価

MIT名誉教授、ASU教授兼務
米国工学アカデミー会員
フォン・ノイマン賞受賞

人物像

明晰な文章と教育者の顔
6月3日、83歳で死去
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最適化や制御、強化学習の分野で大きな影響を残したマサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授のディミトリ・ベルツェカス氏が、6月3日にマサチューセッツ州ベルモントの自宅で亡くなりました。83歳でした。同氏はMITアリゾナ州立大学の教授を務め、20冊を超える教科書や研究書を著したことで広く知られていました。

ベルツェカス氏の研究は最適化、制御、大規模計算、強化学習、人工知能に及び、それぞれの分野の土台を築きました。特にジョン・チチクリス氏との共著『ニューロ・ダイナミック・プログラミング』は、後に強化学習や近似動的計画法の中核となるアイデアを先取りしたと評価されています。

アテネ工科大学で学部を終えた後、1971年にMITで博士号を取得しました。スタンフォード大学やイリノイ大学を経て1979年にMITへ戻り、2019年まで在籍した後、アリゾナ州立大学に移りました。同氏は出版社アテナ・サイエンティフィックを創業し、ロンドンの投資会社ベイフォレスト・テクノロジーズの主任科学顧問も務めました。

同氏の教科書は明快で美しい記述で知られ、最適化や制御を学ぶ世界中の研究者に読み継がれました。2018年にはチチクリス氏とともにINFORMSのフォン・ノイマン理論賞を受け、2001年には米国工学アカデミー会員に選ばれるなど、数多くの賞を受けています。図版や写真も自ら手がける多才さで、教え子や同僚から敬愛された人物でした。