政府によるAnthropic利用禁止、連邦地裁が根拠不十分と指摘

Anthropicリスクトランプ

判事が示した見解

証拠不十分と判事が明言
キルスイッチの証拠なし
仮差し止めの恒久化を検討

対立の経緯

国防総省との契約交渉が停滞
大量監視への利用を拒否
殺傷兵器の標的選定に難色

政権側の主張

批判を理由とした利用禁止
契約企業への報復的先例に懸念
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アメリカの連邦地方裁判所のリタ・リン判事は7月30日の審理で、トランプ政権がAI開発企業Anthropicを「サプライチェーンリスク」に指定し、連邦政府での同社技術の利用を禁じた措置について、裏付けとなる証拠が不十分だとの見方を示しました。BloombergやAxiosが報じたもので、判事は3月に一時差し止めた命令を恒久的なものにするかどうかを現在検討しています。

対立の発端は、Anthropicと国防総省の契約交渉が行き詰まったことにあります。同社は自社のAIがアメリカ国民の大量監視や、殺傷兵器による標的選定・発射判断に使われることを拒み、技術がまだその水準に達していないと主張してきました。

これに対し国防総省は、一民間企業が軍による技術の使い方を決めるべきではないと反論し、あくまで「合法的な」用途に限ると説明しています。交渉は折り合わないまま、政権はAnthropicをサプライチェーンリスクに指定し、連邦政府での利用を禁じました。

審理で焦点となったのは、政権側が挙げた禁止の理由です。政府はAnthropicによる国防総省への公然とした批判が禁止を正当化すると述べましたが、リン判事はこの論法を「非常に問題がある」と評し、政権に異を唱えた契約企業が報復される先例になりかねないと警告しました。

国防総省はまた、Anthropicが戦闘作戦の最中に自社のAIモデルを無効化したり改変したりする恐れがあるとも主張しました。判事は、納入済みモデルを同社が書き換えられるとか、キルスイッチを作動させられるといった証拠は見当たらないとして、この主張に同調しませんでした。

今回の審理は、Anthropicが3月に国防総省を相手取って起こした2件の訴訟のうちの一つにあたります。もう1件はワシントンで審理が進んでおり、禁止措置とリスク指定の適法性をめぐる争いは二つの法廷で並行して続いています。