AI学習データ巡り作家ら勝訴、Anthropicが15億ドル和解

訴訟の広がり

作家・画家・音楽が続々提訴
対象はMetaGoogleAnthropic
争点は著作権と規約違反

主な司法判断

Anthropic15億ドル和解
海賊版データの破棄で合意
正規購入本の学習はフェアユース認定

創作者の懸念

世論と司法が創作者側に傾く
AI普及による生計への不安
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米メディアThe Vergeは7月29日、作家や画家、音楽らがAI各社を相次いで提訴し、一部で勝訴し始めていると報じました。争点は生成AIの学習に自らの作品が無断で使われたことで、著作権侵害や利用規約違反を根拠に、MetaGoogleAnthropicなど大手が訴えられています。創作者側は司法と世論の追い風を感じ始めています。

最も大きな成果が、小説家アンドレア・バーツ氏らが起こしたAnthropicへの訴訟です。同社は海賊版の電子書籍を使ってAI「Claude」を学習させ著作権を侵害したと認定され、著作権訴訟として過去最大となる15億ドルの和解金の支払いと、海賊版データの破棄に応じました。原告側はこれを「AI企業に対する創作者の初の大きな勝利」と位置づけています。

ただし司法判断は一枚岩ではありません。ウィリアム・アルサップ判事は、Anthropic正規に購入した中古本をスキャンして学習に使った点については「本質的に変革的」だとしてフェアユースに当たると判断しました。バーツ氏は「図書館でも本を買ってスキャンし電子書籍として貸し出すことはできない」と述べ、この判断に強く反対しています。

音楽分野でも争いが広がっています。ミュージシャンのサム・コゴン氏らは、GoogleYouTube利用規約やContent IDを悪用し、無断で楽曲を音楽生成AI「Lyria」の学習に使ったとして提訴しました。Googleは規約が「複製や二次的著作物の作成」を広く認めていると主張し、訴えの棄却を申し立てています。

訴訟の背景には、有名作家よりも中堅・無名の創作者が打撃を受けるという危機感があります。原告らはAIが平凡な作品を量産し、次世代のクリエイターが世に出る機会を奪うと懸念します。一方で弁護士のクリステル・デルガド氏は「裁判所も世論も私たちに傾き始めている」と語り、透明性を求める世論の高まりを追い風と捉えています。