中国AI研究者がXで発信拡大、西側と直接対話
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テクノロジー誌WIREDは7月31日、中国のAI研究者がXで英語による発信を急速に増やしていると報じました。同誌の記者が確認した時点で、Kimi K3を手がけるMoonshot AIに所属すると称するアカウントは約30件にのぼり、共同創業者2人も含まれていました。中国のAI開発は外からは見えないという西側の前提が、当事者自身の発信によって崩れつつあります。
研究者がXを選ぶ最大の理由は、中国国内に高度な技術議論の受け皿が乏しいことです。かつて専門家が集まった知乎は2020年以降フィクション中心へ軸足を移し、寄稿者が離れました。今年フィールズ賞を受けた中国の数学者も、2018年に低品質な投稿の増加を理由として同サイトでの発信をやめると表明しています。
転機は今年初め、DeepSeekのR1が世界的に話題となり、中国のAI産業に注目が集まった時期でした。「そのころから中国の研究者は国際的なブランディングを考え始めた」。Moonshotで元インターンを務め、現在はスタートアップEvolvent AIを共同創業するメン・ファンチン氏はそう語ります。
同時に、OpenAIやAnthropicの研究者が発信を控えるようになった空白も効いています。元Hugging Face研究員でAIアナリストのティエジェン・ワン氏は、両社の研究者が「モデルの設計や学習方法は秘密だと感じ、投稿を減らしている」と指摘します。その結果、動きの速いAI業界を理解したい読者の関心が中国側の研究者に向かっているのです。
反応の質の差も、研究者をXへ向かわせています。Moonshotが3月に公開した論文はイーロン・マスク氏の称賛も呼びましたが、匿名を条件に語った同社の研究者によれば、中国のSNSでは著者の一人が17歳であることや親の素性ばかりが話題になったといいます。技術的な中身を論じたのは海外の読者だった、というのが当事者の実感です。
企業側にも実利があります。研究者が小さな有名人になれば雇用主の知名度も上がるため、ワン氏は2025年の助言でMoonshotに研究者の前面起用を勧めており、個人の言葉は公式発表より読まれてフィードバックや共同研究のきっかけにもなります。ワン氏は、こうした発信が中国のAI開発をめぐる憶測を減らすとして、米国にとっても利益になると述べています。