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OpenAIは7月31日、自社サイトで「Building abundant intelligence(豊かな知能を築く)」と題した論考を公開しました。インフラ、モデル、プラットフォーム、製品までを一体で運営するフルスタック戦略により、高性能なAIをより安く、より広く届けると説明しています。前日に発表したGPT-5.6 Lunaの80%値下げを、その循環が顧客に及ぶ具体例として挙げました。
値下げ後のLunaは、入力が100万トークンあたり0.20ドル、出力が1.20ドルになりました。上位モデルのTerraは20%引き下げられ、それぞれ2ドルと12ドルです。GPT-5.6 Solには、知能水準を変えずに標準処理の最大2.5倍の速度を2倍の価格で使えるFastモードが用意されています。
同社が重視するのは、価格表そのものではなく成果あたりのコストです。顧客が求めているのはトークンではなく、問い合わせの解決やソフトウェアの出荷、契約書のレビューといった結果だからです。やり直しや人手による監督まで含めれば、強いモデルのほうが結果的に安くつく場面もあると指摘しています。
効率はデータセンターの数だけで決まるものではありません。GPT-5.6 Solは自社の推論基盤の最適化を支援し、エンドツーエンドの提供コストを20%、投機的デコーディングによるトークン生成効率を15%以上改善しました。公開版のARC-AGI-3では、モデルを変えずに推論の保持と文脈管理を見直しただけでスコアが13.3%から38.3%へ上がり、出力トークンは6分の1で済んだといいます。
この循環を回す燃料が、利用の広がりです。同社のモデルは10億人を超える利用者と200万社以上の企業に届き、登録から半年たった利用者は1日のメッセージ数が約5割増え、使う用途の種類はおよそ2倍になるとしています。社内でもCodexを介したエージェント作業が週次の出力トークンの99.8%を占めるまでになりました。
一方、インフラは需要が生まれる何年も前に計画しなければならず、そこに規律が要ると同社は述べます。利用者と処理量の伸び、企業との契約、API消費、稼働率、収益といった証拠に基づいて投資を判断し、すべてを自前で持たずに所有・提携・購入を使い分ける方針です。目標は最大の設備をつくることではなく、確かな需要に見合う容量を適切な時期に用意することだと結んでいます。