Hark、ブラウザ操作AI公開 価格10分の1と主張
詳細を読む
AIスタートアップのHarkは8月5日、初の製品となるコンピュータ操作エージェント「Handoff」を発表しました。ユーザーに代わってブラウザを自律的に操作し、フードデリバリーの注文や航空券の予約、LinkedInでの候補者への連絡までを一気通貫でこなすと説明しています。同社は主要な指標で世界最高水準としたうえで、トークン単価を競合の10分の1以下に抑えたと主張しました。
Handoffは依頼を受けるたびに、ブラウザとファイルシステム、ターミナルを備えた専用の仮想コンピュータを立ち上げます。利用者が既存アカウントを接続すれば、保存済みの住所や決済手段を使って本人として操作できる仕組みです。Harkの調査では、人々は1日のスクリーンタイムの75%をブラウザで過ごす一方、公開APIを持つサイトは1000件に1件未満にとどまるといいます。
価格は入力100万トークンあたり0.18ドル、出力は2.37ドルで、GPT 5.5の5ドルと30ドルを大きく下回ります。1ターンあたりの遅延も0.8秒とし、速度と価格の両面で優位に立つと訴えました。第三者が人手で評価するベンチマークOnline-Mind2Webでは97.7を記録し、過去最高だとしています。
ただし比較対象には注意が必要です。Harkが示したのはGPT 5.4やClaude Opus 4.8、Gemini 2.5 Proといった前世代のモデルで、現行最上位のGPT 5.6やOpus 5は含まれていません。3指標のうち2つはHark自身の環境と自社のLLM判定で測っており、WebTailBench v2ではGPT 5.5が72.3とHandoffの68.6を上回っています。
モデルの素性にも不明な点が残ります。同社が実施したのは教師ありファインチューニングとGRPOによる強化学習という事後学習のみで、事前学習は年内予定。土台となるベースモデルが何かは明らかにしていません。
Harkを率いるのは、VetteryやArcher Aviation、Figure AIを手がけた連続起業家のBrett Adcock氏です。5月にはParkway Venture Capital主導でNvidiaやAMDも参加する7億ドルのシリーズAを評価額60億ドルで調達し、同氏自身も1億ドルを出資しています。仮想環境上のファイルに誰がアクセスできるかなど企業利用の要件は技術プレビューを理由に先送りされており、価格優位が実務で効くかどうかは、夏の終わりとされる正式提供後に問われることになります。