AIエージェント4体連携、Opus 4.8単体を上回る
詳細を読む
Coral AI Labsと複数大学の研究チームは、AIエージェントが作業を止めずに情報をやり取りできる非同期通信基盤「AgentRadio」を公開しました。本番リポジトリを対象にしたベンチマークSWE-Atlas QnAの124問で検証したところ、Claude Code 4体を連携させた構成が正答率62.1%を記録し、Claude Opus 4.8の単体実行による57.2%を上回りました。
従来の単一エージェントは、リポジトリを一本の経路でたどるため網羅性の問題に突き当たります。文脈が膨らむほど当初の計画は修正しにくくなり、調査の終盤で見つけた事実が全体に波及しません。実際、Claude Code単体をOpus 4.6で動かした場合の正答率は32.3%にとどまりました。
作業を分担すれば解決しそうに見えますが、コードベースの理解は部分同士の依存が強く、きれいに分割できません。既存のマルチエージェントは通信しないか、決められた区切りでしか話せないため、研究チームは「作業中のエージェントは聞くことができない」点をボトルネックだと指摘します。AgentRadioはcreate_thread、send_message、wait_for_mentionという3つの命令を用意し、実行の合間に受動的な聞き取りを成立させました。
効果は具体例に表れています。MinIOを扱う課題では、非同期通信のない構成だと2体が別々にサーバーログの必要性に気づきながら共有できず、チーム全体が誤った答えに合意しました。AgentRadioを有効にすると、気づいた1体が即座に証拠を共有し、評価は16点満点へ転じています。
ただし4体編成はトークン消費を押し上げ、1課題あたりのAPI費用は2.96ドルから19.45ドルへ増えました。同じ金額を単体エージェントの6回並列に投じた比較では37.9%にとどまり、物量ではなく構造による差だと示されています。研究チームは、所有権の境界をまたぐ調査や独立した検証が要る場面に限って複数体を使い、局所的で戻せる作業は単体で十分だと助言します。
残る課題は注意の統治と検証です。全員に全情報を流せば雑音になり、誤った前提が共有されれば誤りの伝播も速まります。実装はApache 2.0でGitHubに公開されており、研究チームは得られた知見を商用版のCoral Codeへ展開しています。