Zoomに端末乗っ取りの脆弱性、AI指示20回未満で発見
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セキュリティ企業のA Securityは8月11日、ビデオ会議サービスのZoomに、通話参加者の端末を乗っ取れる深刻な脆弱性があったと公表しました。画面共有中の注釈機能に欠陥があり、攻撃者は会議に加わるだけで、相手側の操作を一切必要とせずに任意のコードを実行できたといいます。研究チームはこの欠陥を公開AIモデルへの20回未満の指示で発見し、Zoomは同日、サーバーとアプリの両方に修正を出しました。
問題があったのは、画面共有中に参加者が画面へ書き込める注釈機能の通信プロトコルです。攻撃者は会議の主催者でも参加者でも仕掛けることができ、成功すればデータの窃取、カメラやマイクの起動、マルウェアの設置まで可能でした。被害者側には異常を示す表示が出ないため、気づく手がかりもありませんでした。
研究者が重く見ているのは、欠陥そのものよりも見つけ方の変化です。A Security共同創業者のOmer Gull氏は、以前なら5人のチームが半年かけ、試行錯誤を重ねてようやく届いた成果だと語ります。それが今回は、誰でも使える公開モデルへの20回未満のプロンプトで再現され、6月上旬に発見に至りました。
なぜZoomが標的として重いのでしょうか。同社の脆弱性研究者Idan Levcovich氏は、実際に動く攻撃コードの作成はこれまで国家機関級のチームの仕事で、予算も兵器並みに規制される領域だったと指摘します。研究チームは、外部レビューの入らないクローズドソースでは、注釈のような複雑で目立たない機能ほど見落としが残りやすいとも説明しています。
実務上のリスクは端末1台では終わりません。研究チームは、攻撃者が通話相手のPCと認証情報を奪えば、そのまま社内システムへ横展開できると警告しています。ウェビナーや社外との商談を含め、通話に参加する行為そのものが信頼の表明になっているため、利用者は警戒を緩めやすいという事情もあります。
ZoomはWindows、macOS、Linux、iOS、Androidの各版に修正を配布済みで、企業側はクライアントの更新状況を早急に確認する必要があります。セキュリティは長く「いたちごっこ」と呼ばれてきましたが、AIによるバグ探索が広がる今、攻守の応酬は速度勝負に変わりつつあります。なお、WIREDの取材にZoomは回答していません。