Ai2のOlmoEarth、衛星画像の埋め込み出力に対応
Studioの新機能
指定できる条件
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アレン人工知能研究所(Ai2)は8月12日、地球観測モデルの構築基盤「OlmoEarth Studio」で、衛星画像から埋め込みベクトルを計算して書き出す機能を公開しました。利用者は範囲と期間、エンコーダ、解像度、画像の種類を指定するだけで、扱いやすいCloud-Optimized GeoTIFF(COG)を受け取れます。学習コストをかけずに地球観測データを業務へ取り込む入口が広がります。
埋め込みとは、衛星が捉えた地表の状態を数百次元の数値ベクトルに圧縮したものです。似た地表は近いベクトルに、異なる地表は遠いベクトルになるため、類似検索や分類の土台として使えます。Studioはこのベクトルを1次元1バンドのCOGとして返し、値は8ビット整数に量子化されているのでファイルが軽く、共有も簡単です。
指定できる条件は幅広く用意されています。エンコーダはNano(128次元)、Tiny(192次元)、Base(768次元)の3種類、空間解像度は10・20・40・80メートル、期間は1〜12カ月、画像はSentinel-2 L2AとSentinel-1 RTCから選べます。事前計算済みの全球アーカイブではなく都度計算する方式のため、月単位で季節変化を追うこともできます。
Ai2が示した実例は、いずれも学習をほとんど伴いません。ベトナム・カマウのマングローブ地帯では、わずか60画素のラベルでロジスティック回帰を学習させ、加重F1値0.84の土地被覆図を地域全域に描き出しました。ラベルを30から300に増やしても精度がほぼ変わらない点は、表現そのものが仕事の大半を担っていることを示します。
変化検知も同じ考え方です。2023年9月と2024年9月の月次埋め込みを比べるだけで、カリフォルニア州ビュート郡で発生した山火事の焼け跡が浮かび上がりました。オランダのフレボラントでは、主成分分析で3次元に落として疑似カラー表示しただけで、農地の区画境界や作物の違いが再現されています。
カスタム出力はStudio利用者向けの提供で、利用にはAi2への問い合わせが必要です。モデルの重みとソースコード、論文は公開済みで、手元の環境で同じ埋め込みを計算する手順も示されています。一方でAi2は、雲や大気の影響で入力画像の品質が落ちるとベクトルも劣化すると注意を促しており、用途ごとの品質確認は欠かせません。