Vivodyne、AI創薬向け人体組織データ拠点を開設
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米バイオ企業Vivodyneは先週、米サンフランシスコ近郊に世界最大級とする「人体データセンター」を開設したと発表しました。同施設ではロボット実験装置HIVEが20種類の人体組織を培養し、投薬後の反応を自動計測します。AI創薬の障壁は計算モデルの性能ではなく、人体の因果関係を捉えた生物学的データの不足にあるとの考えに基づく取り組みです。
創薬分野では大手AI企業の首脳が期待感を示す一方、成果は限定的です。AnthropicのDario Amodei最高経営責任者は週末、AIが「がんを治す」との主張は説得力を失いつつあると投稿しました。ノーベル賞を受賞したAlphaFoldもこれまで新薬創出には至っておらず、後継のIsomorphic Labsによる治験開始も当初予定の2025年から今年末へずれ込んでいます。
創業者で最高経営責任者のAndrei Georgescu氏は、米ペンシルベニア大学で生物工学の博士号を取得後、2021年に同社を設立しました。同氏は、動物実験で有効性が確認された薬剤のうち9割が人での承認に至らない現状を挙げ、既存のAIモデルは細胞の「静止画」的データで学習しており、状態変化の原因を捉えていないと指摘します。
同社の組織モデルは、肝細胞で毒性予測精度94%、気道組織で人体との一致率96%を記録し、骨髄は20種類の抗がん剤試験で100%の一致を達成したといいます。Khosla Ventures主導の2度の資金調達で計8000万ドル弱を調達し、動物実験全体の2倍に上る処理能力を実現したとしています。
Georgescu氏は、複数の作用経路を同時に狙う「複合薬」の開発には、原因と結果を結び付けた生物学的データが不可欠になると強調します。同社は複数の大手製薬企業と提携して実証を進めているとしていますが、具体的な提携先は明らかにしていません。