最先端AI、理論科学で正答率約35%
出典:WIRED
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ニール・トンプソン氏らは2026年10月、MITで紹介した研究で、確率論、経済理論、宇宙論、量子物理などの理論問題に対する最先端AIの正答率が、2024年半ばの約2%から2026年半ばの約35%へ上昇したと報告しました。対象は実験やシミュレーションなしで解ける分野に限られますが、数学で先行したAI活用が理論科学へ広がる可能性を示す結果です。
研究チームは、2025年12月から2026年5月にオンライン公開された論文の問題を使い、OpenAIのo1、o3、GPT-5系モデルを評価しました。正解を示す論文は各モデルの学習期限後に公表され、試験中はインターネット接続も遮断したため、既知の解答の検索ではなくモデル自身の推論力を測る設計です。
ただし、調査対象は理論のみで解ける限定的な領域で、実験やシミュレーションが必要な科学研究を直接評価したものではありません。それでも約2年間で約33ポイント伸びたことは、確率・統計理論、高エネルギー理論、重力・宇宙論などで研究プロセスが変わり得ることを示します。
数学では、OpenAIがナビエ・ストークス方程式の長年の難問を解いたと発表し、その後も多数の解答を公表したことで、成果の扱いや研究者との競争を巡る議論が起きています。一方、AIが理論的な前進を速めれば、実験を含む科学の実践的な進歩につながる可能性もあります。
最大の課題は検証です。OpenAIは公開後に一部の数学解答を撤回しており、複雑な問題ではもっともらしい誤りを見抜く仕組みが欠かせません。AIが解答を担う時代でも、良い問いを立て、成果を結び付け、妥当性を確認する専門家の役割は残ります。