インドがGoogle画像AI「Nano Banana」世界一の市場に
世界最大の利用規模
爆発的成長の要因
収益性と安全対策
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Googleの画像生成AI「Nano Banana」(正式名称Gemini 2.5 Flash Image)が、インドで爆発的な人気を集め、現在、利用規模において世界最大の市場となりました。独自のレトロポートレートやボリウッド風の画像生成といったローカルトレンドが牽引し、Geminiアプリはインドの主要アプリストアで無料チャートのトップを独占しています。
この人気により、インドでのGeminiアプリのダウンロード数は、Nano Bananaのアップデート後、わずか2週間で667%もの急増を記録しました。世界第2位のスマートフォン市場であり、オンライン人口を抱えるインドでの爆発的な普及は、AIモデルのグローバル展開において極めて重要な試金石となります。
Google DeepMindによると、インドユーザーの特徴は、その利用の仕方にあるといいます。特に注目されているのが、1990年代のボリウッドスタイルを再現するレトロポートレート生成です。また、インドの伝統衣装「サリー」を着用したビンテージ風画像、通称「AIサリー」ブームも発生しています。
インドユーザーは、単にローカルな画像生成に留まりません。例えば、自分自身をミニチュア化する「フィギュアトレンド」はタイで始まりましたが、インドで大きな牽引力を得たことで、世界的な流行へと拡大しました。インドは、AIトレンドを消費するだけでなく、拡散する主要なハブとなりつつあります。
利用規模だけでなく、収益性の面でもインド市場は高い潜在力を示しています。アプリ内課金(IAP)の全体額はまだ米国に及びませんが、Nano Bananaリリース後のIAP成長率は18%を記録し、これは世界平均の11%や、米国市場の1%未満を大きく凌駕しています。
一方で、私的な写真を用いた画像生成に伴うプライバシーやデータ悪用の懸念も指摘されています。これに対しGoogleは、AI生成画像であることを識別するため、目に見える透かしに加え、SynthIDと呼ばれる隠しマーカーを埋め込むことで、安全性の向上を図っています。