Google家庭用AI、Gemini搭載で対話能力が飛躍
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Googleは2025年10月28日、新しい家庭用音声アシスタント「Gemini for Home」の早期アクセス版を米国で提供開始しました。既存のGoogleアシスタントがAIモデル「Gemini」にアップグレードされ、より自然で高性能な対話が可能になります。この基本機能は追加費用なしで利用できますが、連続対話機能「Gemini Live」などの高度な機能は、有料サブスクリプション「Google Home Premium」への加入が必要です。2026年には提供国を拡大する計画です。
今回のアップデートの核心は、基盤となるAIが従来のGoogleアシスタントからGeminiに刷新される点です。これにより、ユーザーはより複雑な質問を投げかけたり、文脈を維持したまま会話を続けたりすることが可能になります。例えば、専門的な知識に関する質問や、複数の条件を組み合わせたスマートホームの操作など、これまで以上に高度な要求に応えられるようになります。
Gemini for Homeには、主に2つの対話モードが用意されています。一つは従来の「Hey Google」という呼びかけで、リマインダー設定やスマートホーム機器の操作といった具体的なタスクを指示するモードです。もう一つは「Hey Google, let's chat」と話しかけて起動する「Gemini Live」で、相づちを挟んだり質問を重ねたりできる自由な連続対話が特徴です。
ビジネスモデルは、基本無料と有料サブスクリプションのハイブリッド型です。Geminiへのコアなアップグレードは無料で提供される一方、前述の「Gemini Live」や、カメラの録画履歴を音声で検索する機能、音声による自動化(オートメーション)作成といった高度な機能は、新たに導入される「Google Home Premium」の加入者に限定されます。
具体的な活用例として、Googleは100項目を挙げています。単なる天気予報や音楽再生にとどまらず、「量子コンピュータの最新動向を教えて」といった情報収集、「プロジェクトのアイデアを壁打ちしたい」といったブレインストーミング、「来週の出張に向けた準備リストを作って」といったタスク管理など、ビジネスシーンでの生産性向上にも貢献する機能が満載です。
今回の提供は早期アクセス版という位置づけであり、Googleはユーザーからのフィードバックを積極的に募集しています。「Hey Google, send feedback」と話しかけるだけで意見を送れる仕組みを用意し、製品の改善に役立てる方針です。家庭用AIアシスタント市場における競争が激化する中、ユーザーと共に製品を磨き上げる戦略がうかがえます。