GoogleフォトAI編集、新モデルでiOSにも拡大

新AIモデルで編集が進化

最新AIモデルNano Banana搭載
サングラス除去など個人に最適化した修正
写真を絵画風などに作風変換する新機能

対話型編集、iOSへ拡大

声やテキストで編集指示する機能がiOS対応
写真検索「Ask Photos」も多言語・多地域へ展開
メッセージアプリでもAI画像編集が可能に
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Googleは2025年11月11日、同社の最新画像編集AIモデル「Nano Banana」を搭載し、「Googleフォト」と「Googleメッセージ」の機能を大幅に強化すると発表しました。今回のアップデートでは、声やテキストで編集を指示できる会話型編集機能がiOSにも拡大されるのが最大の目玉です。これにより、膨大な数のiPhoneユーザーも、より直感的かつ高度なAI写真編集機能を利用できるようになります。

機能強化の核となるのが、最新AIモデルNano Bananaです。このモデルにより、従来より高品質な画像生成・編集が可能になりました。例えば「友人のサングラスを外して」といった指示で、その人物の他の写真を参考に、違和感なくサングラスを消すといった個人に最適化された修正が実現します。また、写真をルネサンス絵画風やモザイクアート風に変換するなど、創造性を刺激する機能も追加されました。

特に注目すべきは、これまでAndroid端末に限定されていた会話型編集機能『Help me edit』iOSへの展開です。iPhoneユーザーは今後、複雑な編集ツールを操作することなく、「空をもう少し青くして」といった自然な言葉で、思い通りの写真編集が可能になります。これは、Appleの純正写真アプリとの競争において、Googleの大きな強みとなる可能性があります。

編集機能だけでなく、写真の活用を促進する新機能も拡充されます。Android向けには、プロのポートレート風やホリデーカードなど、人気の編集をすぐに適用できる「AIテンプレート」が導入されます。また、自然言語で写真を検索できる「Ask Photos」機能は、新たに100以上の国と17の言語に対応し、世界中のユーザーが利用できるようになります。

さらに、AIによる画像編集機能は「Googleメッセージ」アプリにも『Remix』として統合されます。これにより、チャット内で友人から送られてきた写真を直接編集し、全く新しい画像に作り変えて返信するなど、コミュニケーションをより豊かにする新しい体験が可能になります。この機能はAndroid限定で提供が開始されます。

今回のアップデートは、GoogleがAI技術を自社サービスに深く統合し、ユーザー体験を根本から変革しようとする強い意志の表れです。単なる写真の保管・編集ツールから、AIを駆使して思い出を再発見し、創造性を高め、コミュニケーションを促進するプラットフォームへと進化を遂げようとしています。