インディーゲーム、「脱AI」を武器に人間製の価値で差別化

「AIフリー」を掲げる差別化戦略

ネクソンCEOのAI容認発言に反発
AI不使用認証マークを共有・掲示
不透明なデータ学習への懸念を払拭
倫理的な「クリーンさ」を品質保証

大手との対比と「人間製」の価値

大手はコスト削減で生成AIを積極導入
インディーは「制約」を創造性の源泉に
職人技への回帰がブランド価値を向上
プロセス自体の価値化でファンを獲得
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インディーゲーム市場で、「生成AI不使用」を強力なマーケティングツールとして活用する動きが広がっています。大手企業がAIによる効率化とコスト削減に邁進する中、逆に「100%人間製」であることを品質と倫理の証として掲げ、差別化を図る戦略です。この逆説的なブランディングの全貌を解説します。

発端はネクソンCEOによる「すべてのゲーム会社はAIを使っていると想定すべき」という発言でした。これに反発したインディー開発者たちは、独自の「No Gen AI」認証マークを作成・共有。生成AIを含まないことを視覚的に保証し、ストアページでアピールする動きが加速しています。

この動きは単なる技術への拒絶ではありません。著作権的にグレーな学習データへの懸念を持つユーザーに対し、倫理的な安全性をアピールする狙いがあります。「全てのコード、アート、音楽が人間によるもの」という宣言は、製品への熱量と職人技を伝える強力なブランドメッセージとして機能しています。

EAやUbisoftなどの大手がAI活用による開発期間短縮を進める一方、インディー勢は「制約こそが創造性を生む」という哲学を貫きます。AIという「魔法の箱」に頼らず、人間が試行錯誤して作り上げるプロセスそのものが、AI時代における新たなラグジュアリーとして価値を持ち始めているのです。