マスク氏、xAIがOpenAIモデルを蒸留と法廷で認める
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2026年4月30日、カリフォルニア州連邦裁判所で証言台に立ったイーロン・マスク氏は、自身のAI企業xAIがOpenAIのモデルを蒸留(ディスティレーション)してGrokの訓練に使用したことを認めました。OpenAI側弁護士の反対尋問に対し、マスク氏は「全AI企業がやっている」と述べた上で、xAIでの実施を「部分的に」認めています。この裁判はマスク氏がOpenAIの営利転換を阻止するために提起したものです。
蒸留とは、大規模AIモデルの出力を使って小規模モデルを訓練する手法です。OpenAIやAnthropicは中国企業による蒸留を強く批判してきましたが、アメリカのAI企業間でも同様の手法が使われていることが法廷で初めて明らかになりました。OpenAIは2026年2月の議会メモで蒸留対策を強調しており、マスク氏の証言はこの主張との矛盾を浮き彫りにしています。
証言3日目となるこの日、マスク氏は複数の場面で苦境に立たされました。OpenAI側弁護士は過去のメールや文書を提示し、証言との矛盾を次々と指摘しました。マスク氏はOpenAIの安全チームを「間抜け」と呼んだ過去を突かれ、自社xAIが発行する「セーフティカード」の存在すら知らないと証言しています。さらに「怒ることはない」と述べた直後に声を荒げる場面もありました。
マスク氏は証言の中でAI企業のランキングにも言及し、Anthropicを首位、次いでOpenAI、Google、中国のオープンソースモデルと評価しました。xAIについては「従業員数百人の小さな会社」と位置づけています。一方、Microsoftは共同被告でありながら裁判から距離を置く姿勢を見せており、OpenAIとの関係を徐々に分散させる動きを進めています。裁判の行方はOpenAIのIPO計画や組織構造に重大な影響を与える可能性があります。