AI業界団体が中国脅威論の発信をインフルエンサーに依頼
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OpenAIやPalantirの関係者が支援するスーパーPAC「Leading the Future」に紐づくダークマネー団体「Build American AI」が、ソーシャルメディアのインフルエンサーに報酬を支払い、中国のAI台頭を米国の安全保障上の脅威として発信させるキャンペーンを展開していることが、WIREDの調査で明らかになりました。Leading the Futureにはこれまでに1億4000万ドルの資金が集まっており、OpenAI共同創業者のGreg Brockman氏やPalantir共同創業者のJoe Lonsdale氏、ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzらが支援者に名を連ねています。
キャンペーンは2段階で構成されています。第1フェーズではライフスタイル系インフルエンサーを起用し、米国AI産業やイノベーションを肯定的に紹介しました。現在進行中の第2フェーズでは、中国のAI進出を脅威として明確に言及するよう求めています。インフルエンサーマーケティング会社SM4が実行を担当し、TikTok動画1本あたり5000ドルの報酬を提示しているとされます。
問題視されているのは情報の透明性です。参加したインフルエンサーの多くは投稿に「広告」と表記しているものの、資金提供元の正体や政治的意図を開示していません。ニューヨーク市立大学のJamie Cohen准教授は「消費者は受け取る情報が誰かに資金提供されているか分からない。これは文字通りのプロパガンダだ」と指摘しています。
このキャンペーンの背景には、AI業界が国内規制の強化を牽制する狙いがあります。OpenAIのSam Altman CEOやPalantirのAlex Karp CEOはかねてから「米国がAI開発をリードしなければ中国に主導権を握られる」と主張してきました。2026年の中間選挙でAI政策が争点化するなか、データセンターの環境負荷や雇用への影響に対する市民の懸念が高まっており、業界側はインフルエンサーを通じた世論形成に本格的に乗り出した形です。