トランプ政権がAI安全規制に転換、事前審査を導入
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2026年5月、トランプ政権はフロンティアAIモデルのリリース前に政府による安全性テストを実施する方針へと大きく転換しました。商務省傘下のCAISI(旧AI安全研究所)がxAI、Microsoft、Google DeepMindとの間で事前審査に関する合意を締結し、バイデン前政権が進めていた安全規制路線を事実上復活させた形です。トランプ大統領は就任以来、AI規制を「イノベーションの妨げ」として撤廃を進めてきましたが、わずか1年余りで方針を180度転換しました。
転換の最大の契機は、Anthropicが開発したMythosの存在です。同モデルはサイバーセキュリティの脆弱性を発見する能力が極めて高く、Anthropic自身が悪用リスクを理由に一般公開を見送りました。この事実が国家安全保障に関わる当局者を強く動揺させ、財務長官Scott Bessentや首席補佐官Susie WilesがAnthropicのDario Amodei CEOと直接会談する事態に発展しています。
もうひとつの要因は、AI・暗号通貨担当のDavid Sacksがホワイトハウスを事実上追われたことです。ベンチャーキャピタリスト出身のSacksは、州レベルのAI規制法案を阻止するため議会工作や大統領令を活用しようとしましたが、共和党の同盟者やトランプ支持層からも反発を招きました。さらにイラン紛争を巡りトランプ大統領を公然と批判し、影響力を完全に失いました。
地政学的なリスクも政策転換を加速させています。イランは米国とイランの軍事衝突後、UAEにあるAWSのデータセンター2か所をドローンで攻撃し、中東全域で深刻な障害を引き起こしました。さらに米国テック企業18社を標的として名指ししており、AIインフラが軍事的脅威にさらされる現実を突きつけています。
CAISIはこれまでに未公開モデルを含む約40件の評価を完了し、セーフガードを低減した状態でのテストも実施しています。今後はトランプ大統領がAI事前審査を義務化する大統領令を発令する可能性も報じられており、米国のAI規制は「自主規制」から「政府主導」へと明確に舵を切りつつあります。EUでもAI法の改正議論が進んでおり、世界的に規制強化の流れが加速しています。