Musk対Altman裁判、OpenAI安全軽視の実態が法廷で露呈
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Musk対Altman裁判の公判がカリフォルニア州オークランドの連邦裁判所で進み、OpenAIの安全管理体制や経営の透明性に関する証言が相次ぎました。元社員のRosie Campbell氏は、同社が研究重視から製品重視へ変質し、安全チームが解散に追い込まれた過程を証言。Microsoftが安全審査を経ずにGPT-4をインドで展開した事例も明らかになりました。
元取締役のTasha McCauley氏は、Altman CEOが取締役会に対し繰り返し虚偽の説明をしていたと証言しました。ChatGPTの公開を取締役会に事前報告しなかったこと、利益相反の開示を怠ったこと、さらに取締役間の関係について嘘をついたことなどが具体的に指摘されています。McCauley氏は「非営利取締役会が営利組織を監督する仕組みそのものが機能しなかった」と述べました。
元CTOのMira Murati氏の証言録取も法廷で再生されました。Murati氏は2022年にAltman氏の経営スタイルへの不満を文書化し、その後Sutskever氏を通じて取締役会に情報を提供して2023年11月の解任劇を主導しました。しかし解任直後にAltman氏やMicrosoft CEOのNadella氏と連絡を取り、復帰を支援する側に転じています。元取締役のToner氏はMurati氏について「風向きを見極めようとしていたが、自分自身が風だと気づいていなかった」と評しました。
一方、裁判では2018年にMusk氏がAltman氏やBrockman氏、Sutskever氏をTeslaのAI部門に引き抜こうとしていた証拠も提出されました。Musk側の顧問であるShivon Zilis氏が仲介役を務め、OpenAIをTeslaの子会社にする案やDeepMindのHassabis氏の引き抜きも検討されていたことが明らかになっています。OpenAI側はMusk氏が支配権を得られなかったために訴訟を起こしたと反論しています。
この裁判の核心は、OpenAIの非営利から営利への転換が創設時の合意に違反するか否かです。安全軽視の証言はMusk側の主張を補強する一方、Campbell氏はOpenAIの安全対策がMusk氏のxAIより優れているとも認めました。AI開発における安全管理と企業統治のあり方が、一企業の訴訟を超えた社会的論点として浮上しています。