米エネルギー長官とNVIDIA、AI電力基盤でGenesis計画推進

Genesis計画の全容

DOEの17国立研究所が参画
Argonne研に10万GPUスパコン建設
5000エクサフロップスの科学専用計算力
融合研究向けAIエージェント開発

エネルギーとAIの相互依存

電力生産の停滞がAI成長の障壁に
SMR3基が7月までに臨界達成予定
Blackwellでワット性能25倍向上
送電網審査をAIで年単位から週・時間へ
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2026年5月7日、SCSP AI+ Expoで米エネルギー省(DOE)のクリス・ライト長官とNVIDIA副社長イアン・バックが対談し、AI時代の米国エネルギー戦略「Genesis計画」の進捗を語りました。同計画はDOEの17国立研究所とNVIDIAが連携し、AIを科学的発見に応用する国家規模の取り組みです。

NVIDIAとDOEはアルゴンヌ国立研究所に2台のAIスーパーコンピュータを共同建設中です。1台目のEquinoxは1万基のGrace Blackwell GPUで現在構築中、2台目のSolsticeは次世代Vera Rubinチップ10万基を搭載し、5000エクサフロップスの演算能力を実現します。これは現在のTOP500スパコン合計の5倍に相当します。

具体的な成果として、NVIDIAは150万本の物理学論文で訓練し、10万本の核融合論文で微調整したオープンソースAIモデルを開発しました。DOE研究者はこの専門AIエージェントを使い、融合研究を加速できます。バック氏は「NVIDIAは世界中のAIラボが使うのと同じ技術を、すべての世界の科学に開放する」と述べました。

ライト長官はエネルギー面の課題を指摘しました。米国は過去20年で石油生産を3倍、天然ガスを2倍に増やしましたが、電力生産はほぼ横ばいです。対策として小型モジュール炉(SMR)3基を今年7月4日までに臨界させるほか、大型原子炉の新設や核融合戦略室の設置を進めています。

AI自体もエネルギー効率改善に貢献しています。NVIDIAはHopper世代からBlackwell世代でワットあたり性能を25倍向上させました。さらにAIは送電網の相互接続審査を年単位から数週間・数時間に短縮する可能性があります。ライト長官は「データセンター建設は電力コストを下げ、送電網を強化する仕組みだ」と強調し、AIとエネルギーの好循環を訴えました。