CUDAがNvidiaの最強の堀である理由
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米Wiredは2026年5月11日、NvidiaのソフトウェアプラットフォームCUDAが同社最大の競争優位(堀)である理由を分析する記事を掲載しました。CUDAはGPUの並列計算能力を最大限に引き出す開発基盤であり、AI時代における同社の支配的地位を支えています。
CUDAはCompute Unified Device Architectureの略称で、もともとゲーム用GPUの汎用計算への転用から生まれました。2000年代初頭にStanford大学のIan Buck氏がGPUの汎用計算利用を着想し、Nvidia入社後にJohn Nickolls氏とともに開発を主導しました。現在ではAI向けライブラリ群を包含する巨大なエコシステムに成長しています。
記事の筆者が実際にCUDAでの開発を試みたところ、PyTorchなら3行で書ける行列積がCUDAでは50行以上を要しました。GPU性能の最適化は極めて専門的な作業であり、優秀なGPUカーネルエンジニアの数は世界的に限られています。この人材の多くをNvidiaが囲い込んでいる点も同社の強みです。
CUDAの支配力はロックイン効果によってさらに強化されています。主要な機械学習フレームワークがCUDA上に構築されているため、AMDのGPUはスペック上で優位でも実性能ではNvidiaに及びません。独立研究者のベンチマークでも、AMD MI300XはNvidia H100に劣後するとの結果が報告されています。
競合の動向も振るいません。AMD の ROCm はバグや互換性の問題が続き、Intel の oneAPI も普及に失敗しました。唯一の有望な挑戦者として、Swift や LLVM の生みの親であるChris Lattner氏率いる Modular が挙げられています。記事は、Nvidia の本質は Apple に近く、ハードウェアの強さはソフトウェアエコシステムに支えられていると結論づけています。