NanoClaw、買収を蹴り1200万ドル調達

急成長と資金調達の背景

Valley Capital Partners主導で1200万ドル調達
Docker・VercelHugging Face CEOら参加
初コード作成から6週間でタームシート締結
約2000万ドルの買収提案を辞退

エンタープライズ展開戦略

従業員1対1のAIアシスタント提供
Docker Sandboxでゼロトラスト実行環境構築
MITライセンス維持しつつ管理サービスで収益化
GitHub星2.9万・25万DL突破
詳細を読む

セキュリティ重視のオープンソースAIエージェント基盤NanoClawを開発するNanoCo AIが、Valley Capital Partners主導で1200万ドルのシードラウンドを完了しました。Docker、Vercel、monday.com、Hugging Face CEOのClem Delangue氏らが出資に参加しています。創業者のGavriel Cohen氏とLazer Cohen氏の兄弟は、約2000万ドル規模の買収提案を断り、独立した事業成長を選択しました。

NanoClawは、OpenClawのセキュアな代替として誕生しました。OpenClawが40万行に膨れ上がったのに対し、NanoClawのコアロジックは約500行のTypeScriptに抑えられ、人間のセキュリティチームが約8分で監査可能です。すべてのエージェントはDockerのMicroVMベースのサンドボックス内で隔離実行され、APIクレデンシャルがエージェントに直接渡ることはありません。

同社のエンタープライズ戦略の核は、従業員1人に1つのAIアシスタントを提供する「プロフェッショナルアシスタント」モデルです。メールや文書、会議メモを取り込みながら動的なナレッジグラフを構築し、Andrej Karpathy氏が提唱する「LLMナレッジベース」に近い仕組みで業務を支援します。Cohen氏は「1人のエージェント生産性が2〜3倍になれば、むしろ人員を増やしたくなる」と述べ、人員削減ではなく生産性の倍増を訴求しています。

シンガポール外相のVivian Balakrishnan氏がNanoClawを「セカンドブレイン」と公言したことで注目が急拡大しました。Cohen氏はシンガポールのカンファレンスで300人の聴衆に自身のエージェントを同時操作させるライブデモを実施し、悪意あるアクセス試行を遮断しつつ正当な予約だけを通すゼロトラストアーキテクチャの堅牢性を実証しています。

オープンソースのMITライセンスは維持したまま、自社でインフラを構築・運用できない企業向けにマネージド展開サービスで収益化を図ります。GitHub星数は2万9000近く、ダウンロード数は25万を突破しており、AmazonGoogleMeta、Accentureなど大手企業の幹部が個人利用から社内展開を検討する段階に入っています。