Meta、AI投資補填で8000人削減へ
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Metaは2026年5月、約8000人の従業員に対しレイオフを通知しました。これは全従業員7万8000人の約10%にあたります。経営陣が社内メモで述べた理由は、「効率的な経営の継続と、AI分野への巨額投資を相殺するため」というものです。同社は2026年の設備投資を1150億〜1350億ドルと予測しており、2025年の722億ドルからほぼ倍増させる計画です。
人員削減と並行して、7000人以上の既存社員がAI関連の新プロジェクトへ配置転換されます。社内では「ラプチャー(携挙)」と呼ばれ、ある日突然チームから引き抜かれる状況が生まれています。さらに6000件の未充足ポジションも閉鎖され、採用と人員の両面で大幅な縮小が進んでいます。
注目すべきは、Metaが過去最高水準の利益と売上成長を記録している点です。複数の社員は「主要な収益源はInstagramなどの既存サービスであり、AIではない」と証言しています。また、AI部門に直接リクルートされた社員からも「ビジョンがInstagram向けのAI生成コンテンツにとどまり、OpenAIやAnthropicの野心と比べ凡庸」との声が上がっています。
社内の士気低下も深刻です。Metaは全社員のノートPCにキーストロークやカーソル操作を記録するソフトウェアを導入し、AIモデルの訓練データとして活用すると発表しました。オプトアウトは認められず、社内フォーラムで異議を唱えた社員は叱責されたと報じられています。2023年の「効率化の年」以降、累計約2万5000人が既に削減されており、今回を加えると約3万3000人規模のリストラとなります。
今回の動きは、AI投資を理由としたテック業界全体のレイオフ傾向を象徴しています。MicrosoftやCisco、Coinbaseなども相次いで人員削減を発表しており、「AIによるエントリーレベル職の代替が始まっている」との分析も出ています。好業績企業が将来のAI戦略のために現在の人材を切り捨てるという構図が、業界全体で鮮明になりつつあります。