NVIDIA、AIエージェントPC向け新CPUをComputexで発表
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半導体大手NVIDIAは6月1日、台湾Computexで新型PC向けCPU「RTX Spark」を発表しました。1ペタフロップのAI処理性能と128GBの統合メモリを備え、OpenClawなどのAIエージェントをPC上で安全に動かす「スーパーチップ」と位置付けます。搭載するWindows PCは今秋、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft Surface、MSIから発売される予定です。
創業者のジェンスン・フアンCEOは、アプリを起動してクリックや入力を繰り返す従来の操作を終わらせたい考えです。「頼めばPCが仕事をする」と述べ、フロンティアモデルや創作ワークフロー、ゲームをすべてノートPC上で実現すると強調しました。同氏は先月の決算で、GPUに加えCPU販売で2000億ドル規模の新市場を見出したと投資家に語っています。
技術面では、Microsoftと共同開発したセキュアなサンドボックスを備え、エージェントを安全に隔離して実行します。NVIDIA OpenShellランタイムがエージェントの権限を制御し、プライバシー方針に応じてクエリをローカルモデルへ振り分けたり、クラウド送信時に個人情報を匿名化したりします。Adobeはこのチップ向けにPhotoshopとPremiereを再設計し、AI処理を最大2倍高速化するとしています。
もっとも、NVIDIAがArmベースのWindows機に挑むのは初めてではありません。2013年にはMicrosoftがArm搭載のSurface RTで9億ドルを減損した過去があります。今回のチップはより高性能で、MicrosoftはSurface Laptop Ultraを「最も強力なSurface」と銘打ちますが、各社は価格などの詳細をまだ明らかにしていません。
The Vergeはこれを「Windows版M1の瞬間」になり得ると評価しつつ、価格を懸念します。RTX SparkはDGX Spark(約4800ドル)のWindows版とみられ、128GBメモリ搭載機は高額化が避けられません。AppleがM1で安価なMac MiniやMacBook Airから普及を進めたのに対し、NVIDIAは2000ドル超の高価格帯から始める構えで、消費者の支出余力が細るなか普及の壁になりそうです。
それでも、Riot Gamesがアンチチート機能をArmに対応させるなど、Windows on Armの弱点だったゲーム互換性の改善も進みます。Intel、AMD、Qualcommに続く第4の選択肢として、NVIDIAが安全で使いやすいAIエージェントを大衆に届けられるかが今後の焦点となります。