ポケモンGOの位置情報がドローン用AIに転用

プレイヤーの貢献

300億枚の実世界画像を学習
公共スポットを多角度で撮影
位置と向きの詳細なメタデータ

軍事転用の懸念

配送ロボットナビ技術へ応用
軍事ドローンへの利用可能性
2025年に分社化したナイアンティックスペーシャル
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拡張現実ゲーム「ポケモンGO」で世界中のプレイヤーが撮影した実世界の画像が、配送ロボットや軍事ドローン向けのナビゲーション技術の開発に使われていたことが、2026年6月12日にArs Technicaの報道で明らかになりました。開発したのは、ゲーム開発元ナイアンティックから2025年5月に分社化したAI企業ナイアンティックスペーシャルです。

同社は、数百万人のプレイヤーがゲーム内で撮影した短い動画と、自社アプリ「Scaniverse」の利用データをもとに、物理世界の3Dモデルとなる大規模地理空間モデルを訓練してきました。学習に使われた画像は約300億枚にのぼり、その多くはプレイヤーが訪れるよう促された都市部に集中しています。

これらの画像は、同じ場所をさまざまな角度や天候、照明条件のもとで捉えており、撮影時の端末の位置と向きを示すメタデータも備えていました。こうした豊富なデータが、現実空間を認識・解釈するAIの基盤モデル構築に大きく寄与したとみられます。

ナイアンティックスペーシャルの広報担当者は、地上スキャンはあくまで訓練の一要素であり、モデルは元データの複製や閲覧手段ではないと説明しています。さらに、スキャンの対象は像や噴水など公共の名所に限られ、ゲーム内では完全に任意の機能だったと強調しました。

10年前に世界的な熱狂を巻き起こしたゲームが、軍事用途も視野に入る技術の礎となった事実は、複雑な余韻を残します。同社は2019年以降、プライバシーポリシーや公式発表でスキャンが技術向上に使われると明示してきたと述べており、データ活用の透明性をめぐる議論を呼びそうです。