AIを口実にした人員削減と富の偏在が社会不安の火種に
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米国でAIを理由に掲げた大量解雇が、富の偏在と重なり社会的緊張を生んでいます。再就職支援会社チャレンジャー・グレイによると、先月のテック業界の人員削減は4万人弱に達し、2年ぶりの高水準を記録しました。AIは全業種で3カ月連続して解雇理由の首位となっています。
ただし、AIが本当の原因かには懐疑論が広がっています。決済企業Blockは今年初めに従業員をほぼ半減させ、創業者のジャック・ドーシー氏は「AIが働き方を根本から変える」と主張しました。しかしX上で指摘されると、同氏はコロナ禍での過剰採用を認めています。
著名VCのマーク・アンドリーセン氏は、AIを経営失敗を覆い隠す「銀の弾丸の言い訳」と呼びました。同氏は「大企業はどこも少なくとも25%、多くは50%、一部は75%も人員過剰だ」と述べ、AIが都合のよい口実になっていると批判しています。
事態を一層あおっているのが、解雇の裏で一部のAI関係者が桁外れの富を得ている構図です。半導体企業Cerebrasは上場初日に株価が68%上昇し、創業者2人が億万長者になりました。さらにSpaceXは時価総額2.1兆ドルでMusk氏を兆万長者に押し上げ、約4400人の従業員を百万長者にすると見られています。
この格差は身近にも及んでいます。AI企業が集まるサンフランシスコでは高級住宅が募集価格を数百万ドル上回って売れ、ザッカーバーグ氏は1.7億ドルの邸宅を購入した2カ月後にMetaで8千人の削減を発表しました。一方で多くの米国人は保険料や住宅費の高騰に苦しみ、76%が生活費を最大の経済不安に挙げています。
記事は2008年の金融危機後に生まれた「ウォール街を占拠せよ」運動を引き合いに出します。今回は危機すらなく、企業は黒字のままAIを口実に解雇が進む点が異なります。Atlassianなど多くの企業はAIを理由に挙げて株価を上げてきましたが、その姿勢が解雇された人々や社会全体に送るメッセージを再考すべきだと警告しています。