FERC、AIデータセンターの送電網接続を迅速化

命令の中身

大規模送電網6運用者へ迅速接続命令
接続費用はデータセンター側が負担
委員全員一致での承認
送電容量報告まで30日の猶予
電力料金の維持・改定に60日
代替送電技術の検討を指示

背景と狙い

2035年までに電力需要約3倍
発電容量不足は未解決の課題
コスト分散で料金抑制を期待
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米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は18日、データセンターなど大口電力利用者の送電網接続を迅速化するよう、PJMを含む主要6送電網運用者に命じました。エネルギー省のクリス・ライト長官の指示を受けた措置で、委員全員一致で承認されています。命令は、急増するAI向け電力需要に送電網が追いつかない現状を打開する狙いがあります。

命令の核心は、データセンター側が接続を「迅速かつ秩序立てて」行えることを運用者に示させる点にあります。接続コストはデータセンター側が負担し、既存利用者の料金圧迫を避ける設計です。さらに、需要に応じて負荷を調整できる柔軟な事業者には、審査期間を最短60日とする優先レーンが用意されました。

FERCは送電網運用者に対し、容量の余力を示す報告を30日以内、地域の電力料金の維持または改定を60日以内に提出するよう求めています。固体トランスや超電導送電線といった代替送電技術の検討も指示し、新興企業に商機を開きました。一方で、発電容量そのものの不足には踏み込んでいません。

背景には深刻な電力事情があります。データセンター電力需要は2035年までに約3倍に拡大する見通しで、卸電力価格は5年前比で最大267%上昇した地域もあります。最大手のPJMでは大手電力会社が離脱をちらつかせるなど、混乱が広がっていました。

推進側は、需要が効率的に増えれば送電網の固定費が広く分散され、結果的に料金が下がると主張します。ローレンス・バークレー国立研究所の試算では、州の電力消費が10%増えるごとに小売価格が約6セント下がるとされ、ノースダコタ州では23のデータセンター誘致後に全米最大の値下げが起きました。AI競争力の維持を急ぐ米政権の姿勢が、今回の命令に表れています。