NVIDIA45度液冷でデータセンターの水使用ほぼゼロへ
Rubin世代の液冷技術
残る水問題の盲点
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半導体大手NVIDIAは6月22日、AIデータセンター向けに摂氏45度の温水で冷却する新システムを発表しました。最新のRubin世代インフラは全チップと通信機器を液体だけで冷やす世界初の100%液冷を実現し、施設内の水使用を「ほぼ全廃した」と同社幹部は説明しています。従来の空冷や蒸発式冷却に比べ、消費電力と水使用を大幅に減らせる点が特徴です。
仕組みはチップ表面に密着した冷却板に45度の液体を流し、55度で排出する方式です。多くの気候では外気で熱を逃がせるため、機械式チラーや騒音源のファンを使わずに済みます。NVIDIAによると、好条件の地域では従来のメガワットあたり年間約260万ガロンの冷却水をほぼゼロにでき、最大100%の削減が可能だといいます。
コスト面の効果も大きく、50メガワット級の施設では冷却関連の電力・水道費を年間400万ドル超節約できると試算されています。冷却は歴史的にデータセンター電力の最大4割を占めてきたため、効率化の余地が最も大きい領域とされてきました。密度も高まり、従来6ラックユニットを要したシステムが2ユニットに収まります。
一方でTechCrunchは、この「水使用ほぼゼロ」という主張に測定範囲の問題があると指摘します。NVIDIAは施設の壁の内側だけを数え、外側を無視しているという見方です。発電や半導体製造に伴う施設外の水消費を加えると、総量は2〜3倍に膨らむ可能性があります。
つまり今回の技術が解決するのは、AIデータセンターの水消費全体の4分の1から3分の1程度にとどまる計算です。とりわけ化石燃料の発電所は米国最大級の水利用者で、天然ガスは1キロワット時あたり1.17リットル、石炭は2.2リットルの水を消費します。データセンター電力の約半分はなお化石燃料由来です。
AIの計算需要は今後も増え続け、IEAは2030年までの新規電力需要の4割超を天然ガスと石炭が担うと予測しています。施設内の冷却効率を高める意義は大きいものの、電源構成を再生可能エネルギーへ移さない限り、AIの水問題そのものは残るというのが専門家の見立てです。