VercelがAIエージェント開発の統合基盤を公開
詳細を読む
米Vercelは6月17日、本番品質のAIエージェントを開発・運用するための統合基盤「Agent Stack」を公開しました。エージェントにはモデルへの接続と切り替え、複数手順にわたる処理の実行、外部システムやユーザーとの安全な連携という3つの中核機能が欠かせないとし、それらを一式の構成要素として提供します。これまで開発者は単一プロバイダーへの囲い込み、複数ツールの継ぎ接ぎ、抽象化の自作のいずれかを迫られていました。
モデル接続層は2つの部品で担います。「AI SDK」は文字列を1つ変えるだけでモデルを切り替えられる共通インターフェースを提供し、プラットフォームやフレームワークに依存しません。「AI Gateway」は単一エンドポイントから数百のモデルへ振り分け、障害時のフェイルオーバーや費用・使用量の追跡を行います。価格への上乗せはなく、自前のキーも利用できます。
処理の実行層では、「Workflow SDK」が各手順をチェックポイントとして記録し、失敗した箇所だけを再試行します。途中で止まっても最後の正常な手順から再開でき、ゼロからのやり直しを避けられます。「Vercel Sandbox」は各エージェントに独自カーネルを持つ隔離されたmicroVMを与え、未レビューのコードを安全に実行させます。資格情報はサービス呼び出し時にのみ注入され、生のトークンには触れません。
外部連携層の「Vercel Connect」は、各タスクごとに権限を絞った短命トークンを発行し、長期間有効な広範なトークンに依存する従来手法を置き換えます。利用者からエージェント、サービスまで全ての操作を追跡でき、監査ログで誰の指示によるかを特定できます。現在はSlackやGitHub、Snowflakeなどに対応するパブリックベータ版です。「Chat SDK」は1度の導入で複数のメッセージ基盤へエージェントを届けます。
そしてVercelは過去1年で数百のエージェントを構築する中で、エージェントには共通の「形」があると気づき、その形をフレームワーク化した「eve」も公開しました。指示はマークダウン、ツールはTypeScriptで記述し、耐久実行や承認、配信は下層の構成要素で既に配線済みです。経営者やエンジニアにとって、エージェント開発の組み立て作業を省き本質に集中できる選択肢が広がったと言えます。