AI企業のPACが米下院予備選に2780万ドル投下
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米メディアThe Vergeは6月23日、ニューヨーク州第12選挙区(NY-12)の連邦下院予備選を巡り、テック業界が結果に影響を与えるため計2783万ドルを投じたと報じました。AI企業に連なる複数のスーパーPAC(政治活動委員会)が支援・攻撃の両面で資金を競っており、地方選が業界の代理戦争の様相を呈しています。
焦点となっているのは、全米初のAI安全法を共同提案した州議会議員のアレックス・ボレス氏です。同氏には、安全志向のAnthropicに連なる2つのPACと、Ripple共同創業者クリス・ラーセン氏系のPACが支援広告を展開。一方、AI推進派候補を後押しする1億ドル規模のPAC「Leading the Future」は、傘下組織を通じてボレス氏への反対広告に815万ドルを投じています。
親ボレス派のPACが投じた資金は合計1940万ドルに達し、ボレス陣営自身の選挙費用を上回る規模です。法律上、陣営とスーパーPACは広報を調整できず、陣営はAnthropic系PACの動きに言及を避けてきました。皮肉なことに、ボレス氏側はAI安全を選挙の中心に据える計画はなかったといい、対立するPACが同氏に「AI安全」の看板を押し付けた形です。
ここに第4のPACも加わりました。労組や一般のテック労働者を中心とする新興団体Guardrails Allianceは、対立する富豪らへの「対抗軸」を掲げ、選挙前にボレス支援広告へ25万ドルを投じると表明。共同創業者は、規制反対のAI業界が選挙を操作しようとする動きへの懸念を訴えています。
ただし選挙には他の要因も絡みます。対立候補ライシャー氏はニューヨーク市の政治基盤やブルームバーグ氏系PACの支援を持ち、5月21日の世論調査では両者が拮抗していました。地区の有権者は物価やイスラエル問題などにも関心を向けており、AIだけが争点ではありません。
それでも、もしボレス氏が勝てば、AI安全を巡る立場が中間選挙で候補に有利に働く明確な兆候となります。AI企業の政治資金がどこまで選挙を左右するのか、その試金石として注目される一戦です。