米議員、AIへの健康データ転売を禁ずる法案へ
法案の柱
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米国の上院議員エリザベス・ウォーレン氏と下院議員メアリー・ゲイ・スキャンロン氏が、今後数週間以内に健康・位置情報保護法案の新版を公表する予定です。2022年に初めて提出された旧法案を、AI時代に合わせて改定したものです。データブローカーによる収集・販売の禁止に加え、ChatGPTやClaudeといったAIチャットボットに入力された情報の取り扱いまで対象を広げます。
最大の変更点は、規制対象をデータブローカー以外の企業にも拡大したことです。これにより、利用者がAIに打ち明けた健康情報や位置情報を、企業がブローカーへ転売する行為が幅広く禁じられます。背景には、AI各社が医療分野へ急速に進出している現状があります。
実際、1月にはイーロン・マスク氏がMRI画像などの医療記録をxAIのGrokに投稿するよう公に呼びかけました。同じ月にOpenAIは医療記録のアップロードを促すChatGPT Healthを、Anthropicも「HIPAA対応」をうたうClaude for Healthcareを相次いで投入しています。一方で、データ漏洩や不正アクセスへの保護は各社のプライバシーポリシー次第というのが実情です。
米国にはデータプライバシーに関する包括的な連邦法が依然として存在しません。法案はこの空白を埋めることを狙い、連邦取引委員会(FTC)に180日以内の規則策定を義務づけます。執行はFTCのほか州司法長官や被害を受けた個人による提訴も認め、今後10年でFTCに10億ドルの予算を充てる内容です。
ウォーレン氏は声明で「米国民の最も機微な情報を売って巨額の利益を得るデータブローカーの取り締まりが、これまで以上に重要だ」と述べました。法案にはワイデン氏とサンダース氏も共同提案者として名を連ねています。AIへの健康データ入力が広がるなか、規制の行方は医療AIを手がける企業の事業設計に影響しそうです。